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June 10, 2006

『ルー=ガルー 忌避すべき狼』 京極夏彦

ルー=ガルートクマ・ノベルズ積ん読消化シリーズで、京極夏彦の『ルー=ガルー 忌避すべき狼』。ノベルズ版。
情報化され管理された近未来が舞台なのに、京極夏彦の文体で書かれていると全然サイバーな感じがしないですね(^^;
その未来社会では、ちょうど今これの読者が時代遅れの旧世代となっているってのがひとつの仕掛けってとこでしょうか。

前半は、世界設定の説明とか、例えば認識などに関する考察みたいなことを(そのへんちょっと文庫版 姑獲鳥の夏文庫版 姑獲鳥の夏『姑獲鳥の夏』あまなつを思い出した)くどくどとやってて、なかなかストーリーが動き出さない感じ。
でも、京極夏彦の小説はその部分が大事なわけで(^^:
でもって中盤以降、物語が動き出してからというか主人公達が積極的に動き出してからはけっこう楽しめました。
終盤にはそれまでくどくどとしていたネタがぼぼすべて腑に落ちるかたちで収束するのは、やっぱり京極夏彦の小説だなぁ……と。

そんな意味でも、近未来を舞台にしたSFなのにやっぱり京極夏彦の小説なのが、そのサイバー感の無さも含めて面白かったというか(^^;

ただ、未来社会のアイデアやディティールなど(一般公募されたものと京極夏彦の考えたものとがどのていどなかわからないけれど)には部分部分で面白ところも結構あったけれど、全体的にはオーソドックスというか、びっくりさせられるようなイメージはなかったかなーと。

アニメ誌と一般文芸作家との組み合わせという似てる企画の池上永一シャングリ・ラシャングリ・ラ『シャングリ・ラ』あまなつの奔放で強烈なイメージと較べると、インパクトに欠けるかなあ……と。
ま、較べるものでもないんだけど(^^;

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Category : 読書感想2006

Posted by Donkey : June 10, 2006 09:37 AM

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